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スケートパークを造ってもらうには?

スケートパークは、その名前の通り「公園」の一形態です。そして「公園」は公共のための空間であり、そのほとんどは国・県または市町村等の自治体が主体となってその整備が行われます。

今までの公園整備は"行政からの投げかけ"に"地域住民が応える"カタチが大半で、行政主導型の枠組みを超えるケースはほとんどありませんでした。しかし「公共スケートパーク」の建設は、利用者がその施設に対して具体的なイメージを持ち、かつ利用者が、その中心となって積極的に整備の過程に関わることが珍しくありません。ここでは、愛好者の皆さんの立場で、整備主体となる官庁と「いかに良い関係を築き、スケートパークの実現へと進めていくか」…その“働きかけ”のポイントを記しました。

“働きかけ”のポイント1…実現のための「課題」を考えてみましょう。

あなたは熱烈なB3スポーツの愛好者であり、近くにプレイフィールドが無く、あなたが住む町に「スケートパークがあれば!!」と思い立ったとします。最近、隣の県には“公営の(自治体によって整備された)”立派なスケートパークが出来たらしい…、そんな状況を想定してください。熱い思いを胸に市役所/町役場を訪ねます。カウンター越しに「(単刀直入に)スケートパークをつくって欲しいんですけど。」とお願いしたら、どうでしょう?

残念ながら即座に回答は返って来ないかしれません。受付の方は数箇所の部署/部門に照会して下さるとは思いますが、最終的には「ゴメンなさい」という答えに落ち着く可能性が非常に高いです。役所から出たあなたは、ふと考えます。「なぜムリなんだろう?」…実はこの理由を考えるところからスケートパークづくりがはじまるのです。それでは一緒に考えてみましょう。

役所からの返答のバリエーションはそんなに多くありません。例えば…

■ 1 ■「こちらの課/部門とは違うようなので…」

あなたは多少“憤り”を感じるかも知れませんが、これは仕方ありません。役所(行政)の仕組み上、業務の管轄範囲というものがあります。また、住民票や印鑑証明の交付のような通常一般的なコトではないので、役所の中でも対応に苦慮されるのも当然だと考えてみて下さい。「それでは、担当される部門はどこでしょう?」と聞いてみましょう。紹介された次の部門でも同様の対応となるかもしれませんが、役所内の全部署を廻るくらいの熱意で臨んでください。多分最後には、イチバン相応しい部門もしくは町長室・市長室へ通されることになるでしょう。あなたの熱意はにすでに庁舎内の隅々まで浸透してると思います。さてここからが本題です。

※各自治体の事情により異なりますが、スケートパークに関与される部門としては、公園関係部署(公園緑地課・緑政課・都市整備課・都市計画化・建設課など)・教育関係部署(教育委員会・スポーツ教育課・生涯/社会スポーツ課など)、また農林・港湾・総務/企画関連部署等があります。

■ 2 ■「お気持ちは分かりますが、お独りの申し出では…」

丁重な表現ですがキツイ返答かもしれません。カッとならずに冷静に受け止めて下さい。これは役所(行政)から住民に対する最もなメッセージだと思います。行政のサービスとは、最大多数に対して最大効果をあげること、そして緊急度の高いものから取り組むことが原則です。残念ながら、今日役所を訪れたのはあなた独りです。つまり「スケートパーク」を望んでいるヒトがどれくらい居て、またどれくらい必要とされているのか」を伝えることがとても重要なのです。全国の例をみても、スケートパークをつくろうという市民運動の過程で署名活動が行われるケースが多々あります。何千人(の署名を)集めたらOK!という法的な根拠はありませんが、愛好者の絶対数、要望の緊急度を図る上では大きな意味を持つことは確かなようです。

■ 3 ■「予算(事業費)が無いので…」

「最もらしい断り文句」だと受け取らないで下さい。今、自治体の財政は本当に苦しいのです。でも「お金が無いならしょうがない…」、あなたはここであきらめますか?ここであきらめれば前には進めません。いい打開策は無いかな?(市長さん・町長さんになったつもりで<笑>)よーく考えましょう。行政の事業こそ、予算化-執行、予算化-執行…年度単位で動いています。今年度予算が無いのは当然といえば当然です、まずは将来(次年度)に向けて予算化してもらう方法を考えてみましょう。ここでひとつ確かなことがあります。スケートパークをつくるのはあなたの町が最初ではありません。全国には既にオープンしてる公共のスケートパークがあります。先述のようにその町だけ予算が潤沢にあったワケではないはずです。何年か前にその町で、あなたのような愛好家が居て、また予算をやりくりして夢を実現してくれた(行政)関係者が居たはずなのです。少し難しい取り組みになるかもしれませんが、近隣の既存パークの生い立ちを調べてみましょう。関係者と知り合いになれば、実現のための有益な情報がきっと得られるはずです。

そして行政担当者の方と話の中で「○○市/町は“かくかくしかじか”でスケートパークを作ったそうです。」と、その説明の中に具体的な場所・期日・金額・個人名がちりばめられていれば、行政担当者の方もきっと身を乗り出してあなたのおハナシを聞いて下さると思います。

■ 4 ■「なぜ(スケートパークが)必要なのかよく分からないので…」

これまたキビシイ返答ですが、コレこそ的を得た返答だと思います。仲間を募って署名を集めるにしても、市長さん/町長さんに直談判するにしても、ゼッタイに抑えておかなければならないポイントだと思います。スケートパークをつくるには、愛好者以外の市民の皆さん、そして全国民の税金を投入するのです。頭を捻り、仲間の人たちと知恵を出し合って、なぜスケートパークが必要なのか?真剣に考えてみて下さい。(けして巧みな修飾語をちりばめた名文や高尚な文章を作る必要はありません。あくまでも自分達の視点で、抱いている熱意や必要性の根拠を一生懸命、文字に表してみて下さい)

“働きかけ”のポイント2…署名活動用フォームの実例

シッカリとした理由があり、実現の経緯、予算化の流れも分かっていて、相応の愛好者数が居る…そうなれば必ず役所(行政)も動き始めます。“必ず”です。以下に、数年前、数人のグループが「スケートパークをつくろう」と署名運動を始めた際の文書を紹介します。上記のポイントを上手く取り入れていると思います。参考になれば幸いです。

はじめに

私達は、B3スポーツ(スケートボード、インラインローラー、BMX)の愛好家です。他のスポーツに専用の競技場があるように、私達にも活動する場所が必要なのです。決して迷惑をかけたくて○○駅前で遊んでいたのではありません。禁止となって以降、近づくことすらしていません。しかし私達の大好きなB3スポーツがこのまま絶えていくことを見過ごすわけにはいかないのです。○○駅前での問題を繰り返さず、新しいスポーツを救うために、私達はスケートパークの建設を目指して立ち上がりました。愛好者の皆さん、共感頂ける市民の皆様、どうか署名活動にご協力ください。

スケートパークとは(他地域の例)

スケートパークとは、B3スポーツを安全に行うための施設です。公園の一角に、ハーフパイプやボウル、ジャンプ台などを配置してあります。現在、本場アメリカでは街中に数多くこうしたパークが作られており、地元の自治体や市民団体で運営されています。個人や、仲間内で作っている人もいます。日本でも、近年のエクストリームスポーツの盛り上がりを受け、スケートパークを作る自治体が増えてきました。有名な成功例が、地元の若者が市長に直訴したのがきっかけだという、○○県○○市のパークです。○○県には○○地方最大のスケートパークがあり、○○市のパークには近隣一円からライダーが集まり、○○県の過疎の町にはパーク目当てに全国からスケーターがやってきているという例もあります。

スケートパークをつくる意味

1)青少年の育成

「このスポーツをしていなかったらつまらない不良になっていたかも知れない。」…これはあるトップライダーの言葉です。「スケートパークに来るヤツは不良!」と誤解されている方はぜひ考え直して下さい。スケートパークでは、10歳前後から40歳前後の人までが同じフィールドで遊ぶのです、必ずや健全な青少年の育成の場となるはずです。

2)アスリートの育成

B3で培ったバランス感覚や身体能力を生かして活躍している各種スポーツのトッププロが数多くいます。モトクロスのプロライダーの多くは小さい頃はBMX、スノーボードのトッププロはほとんどがスケートボード出身です。一躍有名になったモーグルスキーもインラインスケートをオフトレとして取り入れているいることは有名です。このようにスケートパークがアスリートの育成に多大な影響を与えることはご理解頂けると思います。

3)経済効果

いいスケートパークには、日本中から、時には世界中から人が来ます。この街にしかないパークとなれば、トップクラスのプレーヤーやライダーが噂し、はるばる訪れ、雑誌に載ることもあります。新しいパークに寄せる期待…「是非行きたい」という問い合わせがすでに多数寄せられています。

4)市民との共存

B3スポーツに関して、邪魔だ、迷惑だと反感を持っている皆さんに対し、私達も反省しなければなりません。しかし、他のスポーツに置き換えて考えてみてください。私達にはコートもグラウンドもありません。パークがあれば私達も迷惑行為や非合法行為にもならないよう、このスポーツに打ち込めるのです。私達は気持ちよく認め合える関係を望んでいます。

署 名 欄
○○市にスケートパークをつくることに賛同します。
  • 氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 住所
  • 電話番号

“働きかけ”のポイント3…動き出してから完成まで

あなたの熱意が実を結び、愛好者が集まり行政からの理解も獲得し、事業予算化までたどり着いたとしましょう(実際には議会承認や関連官庁への手続き等、複雑ではありますが…)。

この段階で、スケートパーク実現を「山の頂上」に例えれば、おおよそ8合目までは登ってるといっていいかもしれません。しかしここからうまく乗り切らないと、自分達の意向に沿わないパークとなってしまったり、思いがけない中断の憂き目に会うやもしれません。

役所(行政)の事業として「スケートパーク整備」が位置づけられれば、当局・関係者と頻繁な打ち合わせ・擦り合わせが必須となります。たとえ話ばかりになりますが、ちょうど海外旅行を企画し、だいたいの日程と行き先(ヨーロッパ方面、アメリカ方面…あくまでも“方面”程度なのです)が決まった状態だと考えてください。楽しい旅行にするには、さらに緻密な計画が必要です。移動手段は何なのか?どの都市をどんな順番でまわるのか?…検討事項はいくらでも出てきます。スケートパークの整備も同じなのです。許される条件の中で最も効果の高い空間整備を行うべきだと考えます。ただ通常の海外旅行との大きな違いは、その費用が「自前」なのか「第三者の負担によるもの」なのか、という点です。自前の旅行ならあなたがナットクさえできればそれでいいのかもしれません。しかしスケートパークの場合、そう簡単にはイキマセン。(しつこいようですが)施設完成後の利用者は主にあなたの町の愛好者に限られるのかもしれませんが、その財源は殆んどが税金、極端に言えば日本国民誰もがあなたの町のスケートパーク整備に「モノ申す」ことができる…そのように考えてみてください。

スケートパークに限らず公共空間整備を進める上でもっとも重要なことは、事業の進め方の根拠と透明性だと考えます。事業化決定の後は、実際のパーク実現まで、まずはそのステップとスケジュールを十分に協議し、関係者の一員として、自分達の役割(責任と権限)を自覚・相互承認された上で、より良いスケートパーク実現にむけて最大限のチカラを発揮して下さい。これは施設メーカーとしての弊社からのお願いでもあります。(スケートパーク整備の流れは、自治体・設計会社向けサイトの【"空間/施設"整備の手順】を参照してください)