はじめに
弊社ツムラがご提案するスケートパーク(各セクション群)は、官庁・自治体が主体となって行う「公共空間/公園整備」の一環として導入されるケースがもっとも現実的だと考えます。
以下に「スケートパーク」の基本計画から工事発注に至るまでの流れを、時系列に沿って列挙しました。自治体の整備ご担当者はじめ、官庁から委託された設計会社の皆様の参考になれば幸いです。
★ツムラから一部について資料等を提供できるもの
スケートパークの計画と設計
1)計画と設計にあたって
新規性の認識 … 昨今“スケートパーク”という言葉をよく耳にする様になりましたが、他の形態の公園と比べ、まだまだ前例が少なく“スケートパーク”自体、公園の形態として確立されているとは言えないのが現状です。
一方で、従来からの公園(施設)整備のステップは、年度予算に沿った官庁の事業手法として、そう簡単に変更できる仕組みではありません。
要は現状の事業フレーム(枠組み)を踏襲しながら、「新しい形態」ゆえに、通常以上に利用者の声を上手く取り入れ、最終的にライダー・スケーターの皆様に喜ばれる空間の計画を練り上げる事が最大のテーマだと考えます。
2)計画と設計の内容
◆基本構想
「計画」の前にはもちろん「構想」の局面があります。
「基本構想」こそ源流であり、重要である事は間違いないのですが、構想レベルの話になると、町づくりや全体の都市計画まで発展してしまいます。スケートパークの必要性を超え、その公園そのものが本当に必要なのか?…と、収拾がつかなくなりますのでここでは触れません。
ここでは、関係各署から承認された公園整備が予定されており、その中で「スケートパーク」の創設が求められている… そんな状況を想定して進めます。
◆基本計画
■ねらい
基本構想を踏まえ、事業計画を立てる際の基となる方針の確立
【現況把握】
■外部条件
- 長期の土地利用計画等、上位計画との整合性
- 気象、地形、土壌等の自然条件
- 交通、法規制、周辺住民への影響等の社会条件
■内部条件
- 景観、植生、風、日照、排水等の自然条件
- 境界線、各種権利、既存物等の社会条件
- 地域文化財への影響等の人文条件
【敷地分析】
現況把握によって得られたデータを、敷地の改変の難易度、レクレーション利用の可否、保存・景観上の観点等、考慮すべき項目ごとに分析し、該当地がもつ固有の特性を再確認する。
分析の指標に客観性がなければ、以降の計画は脆弱なものになりかねません(…途中で頓挫するなど…)。時間はかかっても、ぜひ入念に行って頂きたく存じます。
【計画内容の検討及び設定】
■計画方針の設定
- スケートパークの目的、意義★
- スケートパークの性格★
- スケートパークの担うべき機能★
- 敷地分析より明らかになった課題の解決策
- 施設導入の基本的な考え方
- 利用者層、利用圏内の設定による需要予測
- 管理運営の基本的な考え方
■ゾーニング
- 導入機能の整理統合
- ゾーンごとの機能、位置、面積等の設定
- 利用動線の性格、位置、規模の設定
- ゾーン間の関連付け
■施設の配置計画★
ゾーニングで示された機能に対応し、それを有効に果たすことの出来るよう施設を選定し、敷地条件、各施設間のバランス、管理運営方法、景観等を考慮して、概略の規模、位置の設定。
【基本計画図の作成】★
前項施設の配置計画で選定された諸施設の種類、規模、配置、形態等に基づき、基本計画のまとめとして平面図に表す。
これは利用者や地域住民への説明に用いるなど、公園計画に直接携わらない方々が見ることも多いので、分かりやすい資料として仕上げることが重要だと思われます。
【概算工事費の算出】
基本計画での概算工事費の算出は、事業計画の要となります。
各項目ごと(主施設/スケートパーク各セクション設置工事★の他、園路広場工、修景施設工★、休養施設工★、便益施設工★、管理施設工)に算出し、敷地造成に関わる費用を加えて整理。
【基本計画説明書の作成】
第三者に対して分かり易く説明するため、計画内容はもちろん、策定の手順に沿って、計画地の現況、敷地分析に基づく検討など、計画内容に辿りつくまでの過程を整理。
◆基本設計
■ねらい
基本設計の前提となる与条件(基本計画、各種調査結果)の細部について十分に検討を行い、実施設計の指標の明確化。
【施設の検討と設定】
■位置
それぞれの施設が、利用機能、管理、美観、安全性など、全ての面において適切であるよう、十分に検討し、位置を決定。
- □検討項目
- 利用者の動線
- 他施設との相互位置関係
- 周辺からの景観
- 利用者への利便性
- 自然条件(地形・地質・土壌・気候等)
- 施設の安全性
- 整備条件
- 管理運営方法
■規模
広さ、大きさ、数量等、前項の「位置」同様、利用機能、管理、美観、安全性の他、事業費からの検討や将来計画も含めた多面的な検討が必要。
- □検討項目
- 施設の利用要求量(利用人数)
- 平面的、立面的な収まりと他施設との調和
- 公園内の施設面積比率(都市公園法による施設面積規制等)
- 事業費、事業計画上の整備水準
- 関係法規による施設規模の制限(建築基準法等)
- 利用者への利便性
- 管理運営方法
■施設の内容
カタチ・色等のデザインや品質、必要に応じて比較設計も行う。
- □検討項目
- 機能上の効率性
- 施設規模との関連性
- 周辺および内部の美観
- 事業費、事業計画上の整備水準
- 経済性(カタチ、材料、工法他)
- 関係法規による施設規模の制限(建築基準法等)
- 利用者への利便性
- 管理運営方法
【基本設計図の作成】★
基本設計図は公園(スケートパーク)の完成した姿を明確に表すとともに、それを構成する施設や施工の概要を示す。(いわゆる「完成予想図」として扱われ、以降の設計や工事の指針となるものであり、基本設計図の内容が大きく変更することがないよう、十分注意が必要です)
【概算工事費の算出】
基本設計での概算工事費の算出は、 基本計画よりさらに細かく実態に近い金額を算出しなければなりません。
【基本設計説明書の作成】
公園の全体像を正確に分かり易く、第三者が理解できるようにまとめる。
- 与条件の細部検討過程
- 諸施設の検討及び設定過程
- 基本設計図の補足説明
- 概算工事費★
- 工程計画★と年次計画
- 管理運営計画
- その他、理解を助けるよう、必要に応じて参考図画、パース等★を併用
◆実施設計
■ねらい
基本設計に基づき、示された施設等の内容を決定し、工事に必要な詳細図書及び工事費の算出。現地での実現性、実現方法について資料収集、細部調査が必要です。
【実施設計の検討】
基本設計の段階で、概略設計とはいえども、ある程度の細部のイメージをもって作業が行われています。実施設計では、そのイメージを尊重し、 さらに精度を上げて検討を行います。
- □検討項目
- ●利便性
構造 / 形状寸法 / 材質 / 他施設との取り合わせ / 維持管理 - ●安全性
強度 / 耐力 / 形状寸法 / 材質 / 施工法 / 維持管理 - ●美観(景観)
色彩 / 形状寸法 / 材質 / 感触 / 周辺との調和 - ●耐久性
材質 / 施工法 / 維持管理 - ●経済性
価格 / 材質 - ●施工法
維持管理 / 施工法 / 施工法 / 安全性 / 経済性 / 工期 / 施工時期 - ●維持管理
- ●関係法規の適合
【実施設計図の作成】
設計対象物を構築するための工事施工の際に必要な指示を行うための伝達図であり、正確に分かり易く作成。
●施工位置図
工事箇所の区域を示す。周辺の土地利用、交通体系もわかるよう配慮が必要である。
●現況図
施工前の工事箇所の状況を示す。既存物等、工事上障害となるものの撤去や移設も示されていなければならない。
●実施設計平面図
地形、工事内容、各施設の相互位置関係を示す。
- 内容
- 一般平面図
- 造成計画図
- 施設配置計画図
- 割付図
- 植栽等その他平面図
- 部分平面詳細図
●施設詳細図
施設の構造、寸法、材料、仕上げについて示す。
- 記載内容
- 構造★
正面図 / 平面図 / 側面図 / 断面図 / 姿図 / 展開図 / 伏図 / 部分詳細図 - 寸法
- 材料
- 仕上げ
●施工法・仮設等
特に指定する工法、仮設物が必要な場合は、順序、留意点、詳細図を作成し、その内容について明記が必要である。
【工事仕様書の作成】
設計図面だけでは表現できない事項、補足事項を示すため、図書を作成。
【数量計算】
工事施工にあたって、内容を把握し、工事費の算出を行うため、細部にわたっての数量を算出。
【工事費算出】
工事発注の資料となるものであり、正確に行われなければなりません。